荻窪駅北口を出て阿佐ヶ谷方面の路地を入ったところに鰻屋「川勢」がある。1階は焼き場とカウンターだけの小さな鰻屋だ。
何が好いって、ここの鰻は串焼きで出て来る。鰻をまるまる1匹料理すると、身、頭の部分、皮の部分、ヒレ、肝・・・と沢山の部位に別れる。それぞれの部分に合わせて牛蒡や蓮根の野菜と一緒に串に刺す。たとえば皮の部分は韮と合わせると、お互いの個性が融合して美味な串焼きになる。
鰻の串焼きだよ。それもみんな違う部位で全部食べると1匹まるごと食べた事になる。僕はこんな鰻屋は初めてだった。まさに鰻が酒の肴になっている。嬉しいね。
仕事を早く終わらせ夏の夕方5時すぎて、太陽の熱で火照った身体に生ビールを流し込む。最初の当てはさっと出て来る肝の刺身と鰻の骨。ビールを飲み干しニンニクのきいた肝とカリっと上がった骨で腹が落ち着いたところで鰻の串焼きを堪能する。
旨い。ただし身を使った八幡巻きは食べない。身はやっぱり締めで鰻丼でいただくのがご馳走だ。腹ごしらえが出来たところで、次の店へと席を立つ。
7時はまだ明るい夏の夜・・・。
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