奥多摩の駅を降りて線路脇の横道を入ると左側にその店はある。正確には「むらき」の「き」は七を三つ書く旧字の「喜」なのだが、パソコンでは表示できないので、平仮名で勘弁してもらう。
さて、「むらき」はガラスの引き戸を開けると5人で満席になってしまう小さなカウンターのお店だ。店主の村木さんが大きな身体に似合わず、小さな厨房でテキパキと料理を作る。とっても頼り甲斐のあるお母さんとの会話は気さくな中に温かみがあり、お腹だけでなく心も暖かくなる。料理も奥多摩の家庭で並ぶアットホームな物が多い。だから季節によってお薦めの品は変るし、毎日出される旬の味も日々変わる。これまた、この店に通う楽しみでもある。
太陽が山あいに隠れ、それそろ人寂しくなってくる夕刻に店は開店する。ビールを注文し、まずはメニューなど見ずに、『おいしいものが食べたいな』と注文すれば、手早く旬のものが味わえる。ひとしきりお腹が満足したところで黒板のメニューを吟味すれば、今宵も美味しいお酒と料理で満足な1日となる。
2007.8.17 追伸
店主の村木さんが2月に体調を崩されて半年ほどお休みされていました。体調はまだ万全ではないとの事ですが、8月からお店を再開されました。元気になられた姿を先日拝見してきました。良かった良かった。
ただひとつ残念なことに、体重が半減されて、まるで小粋な小料理屋の女将さんの姿になっていました。あの割腹のいい奥多摩のお母さんが、あ〜。
と言うことで細身で美人の女将さんが出て来ても、店主が変られた訳ではありませんので、念のため。そして格好良いお父さんが早期退職してお店のお手伝いをされていました。新メニューの手作りピザはボリューム満点で美味しかったです。
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