青梅駅ロータリーから立川方面に線路際の道を少し歩くと通称キネマ通り(なぜか映画館はない、幅2メートルほどの細い道だ)に当たる。そこを右に曲がってすぐ右側の店が焼鳥「関忠」だ。夕方4時半を過ぎると大きな赤提灯が灯る。夕方4時半は夜の到来を待ちきれない輩にはとても嬉しい時間帯だ。
ガラス戸を開けて店に入ると4人ほどで満員になるカウンターがすぐ目の前に有る。店主はカウンターの向こうでテキパキと焼鳥を焼き仕事をこなす。初めてのお客はあまりにも間近な臨場感に少しビックリする。一人呑みの客はカウンターに座り、見知った客はカウンターの奥に広がる座敷きへと上がって行く。座敷きへは店主の焼き場を通らなくてならにので、云うまでもなく店主の許しなく座敷きに上がることはできない。この二重構造がこの店へやって来るお客を充分に愉しませる装置になっている。
断っておくが、焼鳥の具材は鶏ではなくて豚だ。カシラ、ガツ、タン、ハツ、シロ・・・と丁寧に処理され串に刺されているので、臭みも無くとても旨い。具は大き過ぎず酒の肴には丁度好い。
厨房を担当しているのが、店主の奥さんとお姉さんの2人だ。お勧めはハムカツ。昔ながらの薄いハムにさくっとした衣で揚がっている。4枚ついて350円。全ての料理が程よい量と値段になっているので、酒飲みが安心して通える店である。ラー油から自家製で作る冷中華は一年中味わえるお店の看板メニューだ。キャベツの千切とたっぷり野菜でサラダ感覚の冷中華はピリカラ味で締めの逸品となっている。
初めて行く時には少人数で行くことをお勧めする。カウンターで顔を売ってから座敷きに上がろう。きっとお気に入りの店になること請け合いだ。
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