5×5。タイル上に描かれたこのマス目の上で、自分の駒を早く4つ並べたら勝ち。 奥多摩町在住のタイルデザイナー山本光夫さん(41)が考案したボードゲーム 「YONMOQUE(よんもく)」が好評だ。 今年から始まった「ゲーム万博」を目指す大会で「新しいゲーム」として紹介された。(龍沢 正之) 「よんもく」は青と白の手ごまを持ち、オセロのように相手のコマを挟めばひっくり返り、 置いたコマを動かすこともできる。 ルールを聞くと単純そうだが、これがなかなか奥が深い。攻め続けなければ勝てないが、 あっという間に逆転されることもある。 盤に描かれる図像やマス目は、青と白の塗料で絵付けし、焼き付けられたもので、 「おしゃれさ」も備えている。グラスを片手に遊べる「大人のゲーム」という。 山本さんは、大手百貨店で企画や営業をしていたが、「企画なら自分でできる」と15年前に独立した。 しかし、企画だけではなかなか買ってもらえず、取引先から「商品なら」と言われて作ったのが タイルを使った作品。 以来、タイルデザイナーが本業になり、時計や表札、オブジェなどを作り続けている。 奥多摩町には2年前、荻窪から移ってきた。 6年前、たまたま作ってみた最初のゲームが友人たちに好評で、「もっと作ってみたら」 と言われて作るうちに「よんもく」などのゲームが生まれた。 山本さんは「ゲームって、自分で作ろうと思えば案外簡単。ただ、作ろうと思う人が少ないだけ」。 ただし、いいゲームとは先攻、後攻が公平であることに加え、「リスクのある手を打ったら、 それに見合うメリットがあること。現実の世界と同じですよ」と言う。 よんもくは、4月末に大田区で開かれたボードゲームやカードゲームなど世界のゲームを集めた 「第1回MSO日本選抜選手権大会」で紹介され、評判を呼んだ。 日本連珠社(五目並べの国内組織)幹部も「コマを動かせるから複雑。仲間うちではやらせたい」 と買っていった。7月下旬に東京国際フォーラムで開かれる第2回大会にも出品される。 大会を主催する日本マインドスポーツオリンピア協会は「いいゲームを作るのはゲームの強い人より、 楽しんでいる人で山本さんもその1人。よんもくは、3手、4手先まで読む必要があり、 頭を使うが難しすぎず、だれでも楽しめる」と評価する。 問い合わせは山本さんの会社「ギフトボックス」(電話0428・85・2070)へ。 |