最新タイルアートの紹介

2年前から力を入れている新しいタイルアートの試みを紹介します。

タイルアートの作品

タイルはミルフィオリを焼付けています。中のガラスはオハジキを使用。
仕上げは飾りハンダによるメタル加工をしています。



タイルの面白さにひかれて始めた作品作りも、年月が経つにつれて不満が持ち上がってきました。
それは、どうしても平面的な域を越えられないもどかしさでした。 タイルのペインティングやモザイクの加工は、「絵」を描く上ではとても面白いのですが、どうしても平面的になってしまいます。
立体的な表現を求めて、テラコッタなどの土物作品を目指した時もありました。 人間の顔をモチーフにした立体的な作品を作り、銀座松屋のギャラリーなどで個展も開催しました。 土からの造形はたしかに立体的な表現としては魅力的な創作ですが、 タイルと言うイメージからは少し(かなりかな?)離れて、陶芸の世界に近くなってしまいます。 タイルの最大の魅力は2次元的な可能性を内在しているところなのに、 その魅力を捨ててしまう行為に近づいてしまうのです。 かと言って、モザイク技法を用いた立体表現は躯体(ボディー)の製作と、その表面に砕いたタイルを貼るという行為が、自由な創作を目指す者としては好きになれなかったのです。
接着剤でタイルを張り合わせた作品作りにも挑戦してみましたが、 完成度が上がりません。未熟な作品の域を出ないのです。 完成度を上げるために造形的なチャレンジをすると、今度は強度の問題に悩まされました。 「作品にはお手を触れないでください」と表示するのは簡単です。 しかしタイルは焼き物ですから、耐久性に優れています。実用に使ってこそ初めてタイルの魅力が発揮されるのです。 せっかくの魅力を放棄してしまうことになってしまうのです。
タイル魅力を発揮しながら、平面的ではない表現には何があるのだろうかと、何年ものあいだ悩んでいたのでした。

さて、前置きが長くなってしまいましたが、 2年まえに友人のステンドグラス作家のアトリエを訪ねて、ハンダによるメタルワークスの 造形的な魅力に惹かれました。
ステンドグラスも一見は平面的な表現なのですが、透過性のあるガラスを素材としているために、 ランプシェードやキャンドルスタンドなど、立体的な作品へと自然と広がっているのです。 ガラスの代わりにタイルを使って何が悪いと思ったわけです。 光を透さないからこそ出来る表現もあるはずです。 それにタイルは焼き物ですから、半永久的な絵付けも自在にそして簡単にできるのです。 欲しい色や柄のタイルは自分で作れば良いわけです。
初めはハンダの勉強から始めました。 勉強と言っても、人に習うわけではありません。 「ドイト」や「東急ハンズ」に行ってハンダ鏝とハンダを買って、使ってみることから始めたのですが、 これが上手く行かない。
そこで図書館に行って、ステンドグラスの入門書を何冊か読み耽り、 フラスクなどの薬品や銅テープなどの材料が必要なのを知り、再挑戦したのですが、 これがまた上手く行かない。 ハンダをきれいに載せるので手一杯で、思ったような飾り加工がまったく出来ないのです。

そんな、こんなな試行錯誤を繰り返して作品がやっと形になってきました。 まだまだ発展の余地が無限にある段階ですが、 タイルが脚光を浴び始め、小さなお店でもパック詰めのモザイクタイルが販売されているこの頃です。
以前よりも気軽にタイルに触れる機会が多くなってきました。 タイルを使った作品作りを目指している人もいるのではないでしょうか。 一般的には知られていない、タイルアートの可能性の一端を知って欲しく思い、 僕の持っている製作までのノウハウをご紹介したいと思います。

このページがタイルアートを目指す方々に少しでも参考になれば嬉しくおもいます。
ご質問などがありましたら、お気軽にお尋ねください。 可能な限りお答えして行きたいと思っています。

山本光夫
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